当院の特徴

高齢化の特徴

身体機能の変化

当院では、患者様が活気ある生活と笑顔を取り戻して頂ける様に、様々な取組を行っております。

  • 笑顔でおしゃべり出来るようになる
  • ベッドから離れて、車椅子に乗る事が出来る
  • 病院から外の世界へ出る時間を増やす
  • やる気が出て、興味を示すものが増えてくる

高齢化の特徴

老化による身体機能の変化を下記のとおりまとめました。

要因 身体機能の変化
目の衰え 目をこするイラスト 年を取ると老眼に加え、瞳孔が開きにくくなるので、時間がたってもなかなか暗闇に目が慣れません。
動くものを見る視力が低下するので、素早く動くものに目がついていけなくなります。
こうなると、暗い所で鳥や虫が素早く動いたとしても、それを何か認識出来ず、「人がいたような気がする」と思うかもしれません。本人にはそう見えても、ほかの人からすると「幻視ではないか?」という事になります。
耳の衰え 耳が聞こえづらいイラスト 高音が聞き取りにくくなります。
若い女性が優しく話かけても、聞き取れない場合があります。
息子の声には返事するのに、嫁の声には返事しないという話をよく聞きますが、決して故意にしていることではないのです。
金属音や機械音は聞き分けにくいので、目覚まし時計や携帯電話、呼び出しチャイムの音に気付かない事もよくあります。
耳鳴りがすれば、人の声がしたと勘違いすることもあるでしょう。こうした状態を「幻聴だ」とすぐに決めつけることは避けたいものです。
味覚衰え 味覚衰えているイラスト ミネラル等の栄養不足から味覚鈍麻が起こる場合があります。
酸っぱさ、辛さには敏感になるのに対して、甘さや塩辛さには鈍感になっていきます。
その為、糖分や塩分の多い、濃い味を好むようになります。
これば糖尿病や肥満、高血圧の引き金になるのです。
歯の衰え ボロボロの歯のイラスト 硬いものが噛めず、やわらかいものばかり食べるようになると、唾液が十分に出なくなります。
唾液には殺菌解毒作用があるので、唾液が少なければ、感染しやすくなります。
むせこむようになった、よく熱を出すなどという場合、口の中に原因があるかもしれません。
渇水を
感じにくい 水を飲まないイラスト
喉の渇きを感じにくくなる、汗をかきにくくなるといった老化現象が起こります。
自分からあまり水を飲まなくなるうえ、トイレが近くなる事を心配して、水分を控えることもしばしばですが、高齢になると脱水から簡単に発熱します。基礎体温が低いので、発熱に気付かない事もあります。
発熱すれば、意識がもうろうとなり、ひどければ脳梗塞や心筋梗塞の原因にもなるので、注意が必要です。
皮膚の
かゆみ 皮膚をかくイラスト
汗もかかないのに毎日入浴して、石鹸で体をごしごし洗えば、皮脂が欠乏して皮膚掻痒症(ひふそうようしょう)になり、かゆみで夜中に眠れなくなることがあります。
夜、眠れなければ、昼間はぼうっとするという悪循環に陥るわけです。
頭がぼうっとしていれば、物忘れも多くなることでしょう。
薬物代謝の
遅延 薬を飲むイラスト
運動量が少なくなり、基礎代謝量が低下します。一日に必要なカロリーは減りますが、ビタミン、必須アミノ酸、ミネラルは同量必要となりなす。食事量が減る事から、相対的に見えれば若い時よりもビタミンなどを多く取る必要があります。
年を取ると薬に対する代謝反応が遅くなるというのも、高齢化の一つの特徴と言えます。
薬物代謝が遅くなる為、薬を飲んでもなかなか効かず、いったん効きだすといつまでも作用します。
薬の成分が体内に蓄積しやすく、忘れた頃に中毒症を起こすなど、副作用が出やすくなります。
なかなか治らないと自分勝手に薬を飲み続けていると、別の病気になる可能性があるので、医師に相談しながら服用しましょう。
筋力低下 杖をついてヨロヨロするイラスト 高齢化により委縮し、特に下半身に衰えが目立ちます。平衡機能が衰え、反射神経が低下するので、転びやすく、とっさの動きにもついていけない状況になります。
また関節が拘縮し可動域も狭くなるので、関節痛・肩があがらない・しゃがみづらい・蟹股・正座できないなど、日常生活に支障をきたすようになります。
そのため、けがや骨折をしやすくなりますが、ただ、それを恐れるあまり外出を控えると、今度は閉じこもり症候群になり、うつ状態になるようなことも起こりますので、適度な運動と外出を心掛けるようにしましょう。

高齢化による栄養障害

【要因】食習慣による栄養障害

  1. 高齢になると運動量が減少
  2. 基礎代謝低下
  3. 1日に必要なカロリー減少
  4. カロリーがいらないので食事量が減少
  5. 必要な栄養素も減少 この栄養素を補う必要がある。

したがって、高齢者にあった食事とは、低カロリー、高蛋白でビタミン・ミネラルが豊富な食事となります。

栄養不足により起こる障害

  • ビタミンAが不足すると 視力低下
  • ビタミンBが不足すると 神経麻痺、貧血、意識障害、認知症のような症状
  • ビタミンCが不足すると 免疫力低下により感染しやすくなる
  • ビタミンDが不足すると 骨粗鬆症(血中カルシウム不足を補う為に骨が溶かされる病気)

ミネラル異常

食事、薬の服用により栄養障害がおこります

  • 減塩食により塩分が不足すると、夏に脱水症や熱中症・低ナトリウム血症となります。 元気がなく、ぼーとするので認知症だろうと思われたりしますが、実は意識障害を起こしており、大変危険な状態と言えます。
  • 鉄、銅欠乏貧血。 過剰摂取による肝障害
  • カマのような下剤の過剰摂取高マグネシウム血症による意識障害
  • 亜鉛欠乏味覚障害、難治性褥瘡
  • カルシウム欠乏骨粗鬆症、皮膚炎
  • 服用している薬の副作用で、高カルシウム血症がおき、意識障害となって認知症と間違えられる人もいます。

甲状腺機能低下症

不足しやすい成分にヨードというものがあります。ヨードが不足すると甲状腺ホルモンが不足し、甲状腺機能低下症になります。元気がなくなり、むくみやすく、ひどくなると胸水貯留をおこす。放射線障害に対する免疫力を弱めるので、危険でもあります。

肥満型低栄養(クワシオルコル型)

栄養不足だとやせ、栄養過多だと肥る、と単純に信じている人が多い。しかしたんぱく質が不足したまま炭水化物のみ十分に摂取し、カロリー量が保たれると、低栄養なのに肥満になります。
昔の田舎の女性に多く見られた、炭水化物過剰摂取による低たんぱく肥満です。

このような栄養障害の存在は血液検査でわかるが、高齢者のビタミン・ミネラル・ホルモンが測定される事は稀です。